『和時計 : 江戸のハイテク技術』は、澤田平が日本の時計を鉄砲や材料、動力の技術と結び付けて扱う書籍である。1996年に淡交社から刊行された。和時計だけを孤立した機械として見るのではなく、江戸時代の技術文化の中に置く構成が目次から読み取れる。12
時計を技術のつながりから見る#
本書の目次は、鉄砲と時計の関係から始まり、時計の伝播、和洋の技術、真鍮、ぜんまいへと進む。真鍮は銅と亜鉛を主成分とする合金であり、ぜんまいは巻いた金属の弾性を動力として蓄える部品である。後半には尺時計、船時計と船磁石、科学、和時計の終焉が並ぶ。時計の形や部品に加え、その周辺の道具や時代を視野に入れた構成である。2
国立国会図書館の展示解説は本書を紹介し、不定時法に対応した文字盤の写真に言及している。不定時法では、昼と夜をそれぞれ六つに分けるため、一刻の長さが季節と昼夜によって変わる。新潟県立図書館が公開した本書の引用も、この昼夜の区分と季節による長さの変化を説明している。8 国立国会図書館は、近代以前の日本では定時法と不定時法が混在したとも説明する。和時計を理解するには、機構とともに、それが示す時刻の制度を見る必要がある。3
著者の視点と改訂版#
著者は和時計と古式銃を研究し、自宅に残っていた和時計の修理をきっかけに時計の製作を独学で始めたと紹介されている。高槻市の歴史館は、澤田の収集品を通じて鉄砲と和時計を取り上げる展示を行った。45
2024年の改題増補改訂版『鉄砲から見た和時計』の図書館紹介は、時計と鉄砲の技術的な共通性を論じる本として紹介している。この紹介だけから、1996年版の同一箇所の記述を確定することはできない。6
改訂版は創風社刊、191ページである。名古屋市図書館は1996年刊の改題増補改訂版と記録しているが、個々の章の変更内容まではこの書誌から確定できない。初版と改訂版を参照する際には、書名と刊年を区別したい。6
書誌と参照先#
1996年版は京都の淡交社刊、173ページ、21 cm、日本語。ISBNは4-473-01462-2。国立国会図書館と大学図書館などに所蔵があり、国立国会図書館のデジタル版は館内限定公開、遠隔複写は可能と案内されている。利用条件は変更され得るため、利用前に所蔵館で確認してほしい。17
本稿は初版の目次と図書館の展示解説、書誌を確認し、改訂版は図書館目録と紹介を参照した。1996年版本文は図書館の回答に引用された一節のみ確認し、全文と版間の詳細な差分は確認していない。
参考文献#
- 国立国会図書館、『和時計 : 江戸のハイテク技術』書誌。2026年11月6日閲覧。
2. 日本の古本屋、『和時計 江戸のハイテク技術』書誌・目次。2026年11月6日閲覧。
3. 国立国会図書館、第120回常設展示解説、1–2頁。2026年11月6日閲覧。
4. 紀伊國屋書店、『鉄砲から見た和時計』書誌・著者紹介。2026年11月6日閲覧。
5. 高槻市、しろあと歴史館企画展案内。2026年11月6日閲覧。
6. 名古屋市図書館、『鉄砲から見た和時計』書誌。2026年11月6日閲覧。
7. CiNii Books、『和時計 : 江戸のハイテク技術』。2026年11月6日閲覧。
8. 新潟県立図書館、江戸時代の時刻制度についてのレファレンス回答、本書からの引用。2026年11月6日閲覧。