Perpetual Padellone

Perpetual Padellone

Perpetual Padellone(パーペチュアル パデローネ)は、ロレックスが2026年の新作として紹介した、年次カレンダーと月相表示を備える自動巻腕時計である。名称はヴィンテージのリファレンス8171の通称を受け継ぐが、現代の本作はキャリバー7190とHaplosという暦機構を備える別のモデル系列である。1 2

名称と系譜#

「Perpetual」という名称から永久カレンダーと解釈すると、機構を取り違える。本作の公式説明はannual calendar、すなわち30日と31日の月を自動で区別する年次カレンダーであり、2月から3月への移行には年1回の修正を要する。永久カレンダーのように2月や閏年まで自動処理するとの説明ではない。2

メーカーは本作を、2023年の1908で始まったPerpetualコレクションの展開と位置づける。また旧作8171への参照は、日付・曜日・月と月相を組み合わせた表示にある。時計の名前、暦の分類、自動巻の方式は別の情報として読む必要がある。1

カレンダーは何をどう表示するか#

表示配置・方式
時・分・秒中央の針
日付外周の数字を青い日付針で指す
曜日・月12時位置の二つの窓、英語表記
月相6時位置の青いディスク

暦表示の特徴は、年次処理に加えて、日付・曜日・月が真夜中に瞬時かつ同時に切り替わる点である。月末の表示が互いにずれた途中状態で残ることを避ける設計としてメーカーは説明する。2

Haplosでは、通常の日付機構に付加する送り指と年次レバーが働き、月ディスク裏側に組み込んだプログラムから月の情報を得る。公式資料の「二部品」は年次機能の追加部品についての説明であり、カレンダー全体が二部品でできているという意味ではない。また部品点数の少なさだけで、他の時計より修理しやすい、耐久性が高いと結論することはできない。1

ムーブメントと調速機#

キャリバー7190は5 Hz、すなわち1秒に5往復するテンプを備える。振動数を片道の振れで数えると毎時36,000振動に当たる。搭載機構について、ロレックスは2025年のLand-Dwellerに導入したキャリバー7135の設計を基礎とすると説明する。高い振動数を採用していること自体と、実際の使用条件での精度は区別される。1

同社は、シリコン製のDynapulse脱進機、Syloxiひげぜんまい、セラミック製テンプ真、最適化した真鍮製テンプを挙げる。脱進機はぜんまいのエネルギーを調速機へ小刻みに伝える装置、テンプ真はテンプの回転軸である。材料の選択は耐磁性と関係し、ひげぜんまいには高振動に対応する剛性を与えたと説明される。1

これらはメーカーの設計説明であり、独立機関の分解・耐磁・長期摩耗試験の結果ではない。公表された特許出願数も、登録済みの権利数や独立した発明数と同一には扱えない。Haplosや瞬時切替についての特許公報と製品の対応、接触形状や公差の全容は、本記事では検証していない。

ケース、月相、装飾#

ケース径は39 mm。白色系文字盤の18 ct Everoseゴールドと、アイスブルー文字盤の950プラチナが提示される。月相ディスクには青いエナメルを使い、満月と新月には隕石を用いるという。新月側は濃い青のPVD処理を施す。月相を単なる図柄ではなく、素材と色の差で表現する設計である。1

外周の日付目盛と二つの窓を使う表示は、日付針の先の三日月形、6時位置の月相表示へ視線をつなぐ。透明な裏蓋からは装飾した受けとローターを見ることができる。装飾の美観と、機械の精度・耐久性はそれぞれ別に評価する必要がある。1

公称性能と第三者の観察#

メーカーの公称値は防水50 m、パワーリザーブ約66時間である。完成時計をケースへ収めた後に行う社内試験の精度基準は日差−2〜+2秒とされる。これはメーカーが定めた試験条件での基準であり、あらゆる装着姿勢や磁場、残存動力で同じ日差を保証する実測報告ではない。1

Cheryl Chiaによる2026年9月22日のRevolutionの記事は、独自写真とともにケース側面の四つの修正ボタンを紹介する。配置は2時が月、4時が日付、8時が月相、10時が曜日と説明する。モデル識別子はプラチナがM53506-0002、革ベルトのEveroseがM53505-0002、SettimoブレスレットのEveroseがM53505-0003。同記事の厚さは12.2 mmで、公式ニュースルームが示す径39 mmと異なる測定方向の値である。これらは外観・仕様の照合に使えるが、同誌の性能評価を独立した長期試験結果とは扱わない。3

発表後の位置づけと確認の限界#

年本作に関係する展開
2023年メーカーが1908からPerpetualコレクションを開始したと説明
2025年Land-Dwellerの7135にDynapulseを導入したと説明
2026年新作公式ページでPadellone、7190、Haplosを紹介
2026年10月本記事の確認時点。長期使用・修復史はまだ確認できない

本作は個体の所有履歴を持つアンティーク作品ではなく、新しいモデル系列として扱う。個別の所有者、製造総数、修復歴、発売後の全仕様変更は公表資料から確定できない。公式の英語ページとニュースルームは同一メーカーの情報であり、二つの独立した試験結果ではない。現時点では公式に確認できる設計・表示・素材を中心に説明し、性能を宣伝文句から一般化しない。

参考文献#

  1. Rolex, New Perpetual Padellone: When times align, 2026年新作ニュースルーム、表示・ケース・Calibre 7190各節。閲覧日2026年10月22日。

2. Rolex, New Perpetual Padellone — New watches 2026, 年次カレンダーの定義・修正頻度・表示。閲覧日2026年10月22日。

3. Cheryl Chia, A Closer Look: Rolex Perpetual Padellone, Revolution, 2026年9月22日。独自写真・修正ボタン・末尾仕様表を参照。閲覧日2026年10月22日。