スイスの時計産業都市ル・ロックルの丘にある時計博物館(Musée d’horlogerie du Locle)は、18世紀の邸宅シャトー・デ・モンを会場に、時計と自動人形、かつての住空間を一緒に見られる場所です。展示では、懐中時計を構成する動力、伝達、脱進、調速、表示の役割をたどり、時計が時を刻む仕組みと、その外観や装飾を結び付けて考えられます。1 2

図:シャトー・デ・モン(2011年)。撮影:Mirejo。出典:Wikimedia Commonsのファイルページ。ライセンス:CC BY-SA 3.0 Unported。変更:なし。同ライセンスで提供。
見学の前に#
所在地は Route des Monts 65, 2400 Le Locle。館の案内ではバス341番の Château des Monts 停留所を利用でき、日曜・祝日と夏休みには予約制のMobicitéも案内されています。予約方法や運行の詳細は出発前に確認してください。ガイド付き見学は事前予約制で、館は仏語・英語・独語に対応し、時間外も相談できると案内しています。3 7
2026年11月6日に確認した館の開館時間は、5〜10月が火〜日曜10時〜17時、11〜4月が火〜日曜14時〜17時です。祝日は月曜を含め開館し、12月25日と1月1日は休館します。団体の時間外見学は相談できます。地域観光局の案内では見学の目安は1時間30分、個人の大人料金はCHF 10、音声ガイドはCHF 3です。展示替え、行事や臨時休館、料金は変わり得るため、訪問直前に館の案内を確認してください。3 6
館内の利用に介助が必要な場合は、階段や見学可能な範囲を事前に館へ相談してください。
町全体の時計文化も見たい場合は、ル・ロックルの街歩きと組み合わせられます。冬季は博物館が午後開館なので、午前を町歩きに充てると予定を組みやすくなります。
邸宅から博物館へ#
建物は、時計のケース製作者で貴金属の検査にも携わったサミュエル・デュボアが、妻の土地に1780〜1790年の間に建てた邸宅です。館は当初、夏の住まいとして使われた可能性があると説明しています。1912年には時計企業家でドクサの創設者ジョルジュ・デュコミュンが取得し、邸宅を拡張して英国風の庭園を整えました。1954年に市が取得し、1959年5月23日に時計博物館として開館しました。1
博物館の収集の歴史は建物への移転より古く、館は1849年の珍品陳列室に起源を求めています。1858年に収集品は工業学校へ移され、1868年の時計学校開校後には時計の品々が教育に役立てられました。第二次世界大戦後は収蔵品が梱包され、再展示の場所を確保することが課題でした。シャトーへの移転は、この収集と教育の歴史に恒久的な展示場所を与えた出来事です。1
何を見るか#
大広間と時計の構造#
地上階の大広間はルイ15世からルイ16世様式の家具を備え、時計製造で栄えた地域の裕福な住まいを伝えます。建物は単なる展示ケースではなく、時計を所有し、客を迎えた生活空間としても見ることができます。2
「時計の時間」の展示では、約500年の時計の発展を、時計全体の年代順だけでなく部品の働きから見ます。動力源が蓄えたエネルギーは輪列を通って伝わり、脱進機と調速器がその進み方を制御し、針などの表示につながります。この順序を意識すると、見た目の異なる時計でも共通する構造を見つけやすくなります。館は展示を八つのケースに分け、部品ごとにも年代ごとにも見られるよう案内しています。2
蒐集家と自動人形#
モーリス・サンドは、市がシャトーに時計コレクションを置く計画を知り、時計や自動人形など35点を故郷の町に寄贈しました。館によると、この寄贈はほかの収集家による寄贈のきっかけにもなりました。宝物室を中心とする18〜19世紀の作品は、精密な機構に加え、音や動きを人々が鑑賞する文化を伝えます。2
自動人形は、動きを生み出す機械と装飾を一体にした作品です。時刻を知らせる時計と近い精密加工や組立ての技術を使いながら、鑑賞者に音楽や動きの驚きを見せる点に特徴があります。館は英国の自動人形「カラボス」を展示案内で紹介しています。個々の作品の展示・稼働状況は訪問時に館へ確認してください。2
展示を支える保存と更新#
展示は固定されたものではありません。市の2024年の報告によると、館は計時を扱う展示空間を一般客や若い来館者にも分かりやすくするため、Chronoramaという更新計画を進め、市は資金の一部を支出することを承認しました。これは当時の計画についての記録であり、完成時期や訪問時の展示内容を保証するものではありません。4
ル・ロックルと隣のラ・ショー=ド=フォンは、時計製造と都市計画の結び付きによって世界遺産に登録されています。丘の邸宅で収蔵品を見た後に市街の住宅や工房の並びを歩くと、時計を作る仕事と、時計を収集し伝える活動を同じ町の歴史として捉えられます。5
参考文献#
1. Musée d’horlogerie du Locle, Histoire, 閲覧2026年11月6日。
2. Musée d’horlogerie du Locle, Musée, 閲覧2026年11月6日。
3. Musée d’horlogerie du Locle, Infos pratiques, 閲覧2026年11月6日。
4. Conseil communal du Locle, Rapport d’information sur le projet Chronorama, 2024年11月27日、1–2頁、閲覧2026年11月6日。
5. UNESCO World Heritage Centre, La Chaux-de-Fonds / Le Locle, Watchmaking Town Planning, 閲覧2026年11月6日。
6. Neuchâtel Tourisme, Musée d’horlogerie, 閲覧2026年11月6日。
7. Musée d’horlogerie du Locle, Visite, 閲覧2026年11月6日。